第59話

なんとなく幸せな気持ちで、俺らは放課後に聖夜のイベを見にCYBER BOXXに向かった。




しとしとと雨の降る寒い日だった。




「良いのかよ?お前ら。今日は勉強は」


「明日から頑張るよ。な?」


「あぁ、今日はハルの歌聞いて、聖夜の歌も聞いて。なんか元気貰えたし」



……そういや、最近は練習もあんまりしなくなっちまったし、


受験生のこいつらをどの程度遊びに誘って良いかも分からなくて


…でも良かった。こいつらまだ俺を必要としてくれてる。





「お前らの受験終わったら、Bless再始動だな!エルフみたいにみんなに愛されるバンドにしようぜ!」


「乗った」



いつの間にかCYBER BOXXの前にたどり着いていた。俺の言葉に2人より先に返事をしたのは…



「カイ…」



カイだった。



「俺、一人が好きだった。勉強も、バスケですらワンマンで。

だけど、仲間って悪くねぇって

お前やBlessや聖夜や、スバルさんや………お前を中心とした人たちから教わったよ、ハル」



「カイ…」


「カイ!やってくれるかドラム!」




照れ臭そうに笑ったカイと一緒に俺たち四人はCYBER BOXXの中に入った。

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