第55話
そんな話をしながらたどり着いたのは、この街で1番大きなスタジオだった。
ロビーに行くと、沢山の男たちが煙草を吸ったり談笑している。
「?」
……光景を想像していたんだけど、空気は張り詰めていた。
みんなが同じ方向を凝視していた。
ーーー宮前が居た。
仲間を引き連れた宮前が不敵に笑って見据えている相手は、
「何だよ?てめぇら」
俺らが会いに来た、橋戸巧だった。
「ルーキーさんの顔を拝みに来ただけだ。随分な態度だな。お前の相棒は何処だよ?お前らがあまりにも生意気だからレジスタンスの奴らが殺気立っててなぁ」
レオって奴の事だろうか。
「どけ」
一発触発の雰囲気の中、ドアの前に居た俺たちを押しのけて現れたのがーーー
「シド。喧嘩すんなら外で買えよ、目障りだ」
ーーーレオだった。
ギターケースを背負って現れたレオは、橋戸巧たちの争いに全く興味がないと言った様子で、
スタジオの一室に入って行った。
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