第54話

ファミレスを出た俺たちは、ライブハウス街に向かっていた。



あそこの周りはスタジオなんかもあるし、S.R.Cは繁華街に集まっている事が多いらしいから。




「お前のさっきの独り言。着目点も共感するし意見も理にかなってるよ。…だけど、俺は注目すべき人物はルーキー2人じゃないと思うんだ」



煙草に火を付けようと思っていた俺は、カイの言葉に動きを止めた。




「……は?じゃあ、今から橋戸巧に会いに行く意味ねーじゃん。誰だよ?」


「まぁ聞け。あくまでも仮説だ」



カイの言葉に口をつぐむ。




「ルーキーが目立ってて目を落としがちだけど、バンキッシュやレジスタンスはどうだ?冷静に考えて、その2チームは狂暴だ。俺は宮前が事の中心になるような気がする」




宮前…か。あまり関わりたくないけど、それは否めないな。




ーーー物騒でなーーー





聖夜も何か感じているみたいだし、事は思ったより深刻かもな…。





「要注意人物。infinity'sはあのレオって奴。S.R.Cは橋戸。レジスタンスは宮前。アローズは皆フレンドリーで、注意人物はいないとして、ヘッドは聖夜。カイさぁ、バンキッシュのヘッドって見た事ある?」


「…そういや無いなぁ」


「宮前みたいに見るからに悪そうな奴なのかな、やっぱ」


「いや。バンキッシュはアローズやレジスタンスに比べたらまだ新しいチームだ。そんなチームなのに統制が取れているし人数も力もある。ヘッドは相当頭のキレるやつだと思う」


「カイ。実はお前がバンキッシュのヘッドだったりしてな?頭キレるし」


「ははっ、だったら面白いな」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る