第42話
久しぶりに見たエルフの演奏は更に洗礼されて、もっと凄いバンドになっていた。
「見ろ。テレビ取材が来てる」
「インディーズデビューもほぼ決まってるらしい」
「あぁ、聖夜さんマジかっけー。憧れる」
誰もがエルフの聖夜を羨望の眼差しで見つめていた。
「うっ。見ろ。レジスタンスだ。ミヤマエが居る」
「幹部勢揃いで、何しに来たんだろ。おっかねーな」
それと対比するように、大きな力を持ち、一目置かれていたのが宮前永輔だった。
「カイ。アイツはレジスタンスの奴ら。戦闘にいるのは宮前だ」
「白石んとこの弟じゃん」
カイに説明しようとすれば、時既に遅し。
スバル君を知ってるらしいロイドのメンツに見つかった俺は、バチッと宮前と目が合った。
「……どうも」
俺の会釈に、宮前は不敵に笑った。
……この男は、橋戸なんか比にならない位不吉だ。
「見ねぇ顔だな?」
そんな宮前が、俺の後ろに居たカイに視線を移した。
ミヤは本当に、目の付け所がヤバイ。何もかも見透かして来る。
前に、スバル君が言っていた。
厄を貰うから、関わるなって。
俺が口説いてるドラマーに、来てそうそう目を付けるなんて、やはりスバル君の言っていた事は本当みたいだ。
「櫻井です」
カイは、聖夜の時とは別人なように冷徹な表情で宮前に会釈をした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます