第42話

久しぶりに見たエルフの演奏は更に洗礼されて、もっと凄いバンドになっていた。



「見ろ。テレビ取材が来てる」


「インディーズデビューもほぼ決まってるらしい」


「あぁ、聖夜さんマジかっけー。憧れる」




誰もがエルフの聖夜を羨望の眼差しで見つめていた。





「うっ。見ろ。レジスタンスだ。ミヤマエが居る」


「幹部勢揃いで、何しに来たんだろ。おっかねーな」





それと対比するように、大きな力を持ち、一目置かれていたのが宮前永輔だった。




「カイ。アイツはレジスタンスの奴ら。戦闘にいるのは宮前だ」


「白石んとこの弟じゃん」




カイに説明しようとすれば、時既に遅し。




スバル君を知ってるらしいロイドのメンツに見つかった俺は、バチッと宮前と目が合った。




「……どうも」




俺の会釈に、宮前は不敵に笑った。



……この男は、橋戸なんか比にならない位不吉だ。




「見ねぇ顔だな?」





そんな宮前が、俺の後ろに居たカイに視線を移した。




ミヤは本当に、目の付け所がヤバイ。何もかも見透かして来る。




前に、スバル君が言っていた。

厄を貰うから、関わるなって。




俺が口説いてるドラマーに、来てそうそう目を付けるなんて、やはりスバル君の言っていた事は本当みたいだ。




「櫻井です」





カイは、聖夜の時とは別人なように冷徹な表情で宮前に会釈をした。

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