第35話
当時名を馳せていたチーマーは、
S.R.C。
infinity's。
レジスタンス。
アローズ。
それにバンキッシュ。
この五つは俺が高校生になった今でも語り継がれる武勇伝を持つ有名チームだ。
俺たちが居たのは名もなきチーム。
スバル君たちや、カイたちのように
小さな組織の集まりが俺たちのチームだった。
トップはいなくて、横の繋がり。
年齢や喧嘩の強さなどに従って適当に偉ぶって、適当にペコペコして、適当に仲間で戦う。
その中にはお互いを尊重し合う気持ちもちゃんとある。俺はそんな集団だから着いてこれた。
S.R.Cのメンバー数に引けを取らない俺たちが、後に名前を残さなかったのは、争いを好む人が少なく、名をあげる人が少なかったからだと思う。
それで良かった。
傷つくのも傷つけるのも、俺は好きじゃないから。
「……まぁ、俺は流れに身を任せてるだけです。バスケは、この通りもう無理だし」
カイが見下ろした自分の足首には、包帯が巻かれている。
……故障したんだ、こいつ…。
復帰も無理なんだろうな…この言い方からすると…。
……コイツが不良になるのも仕方なかったんだな。
なんとなくカイの気持ちを考えてシュンとしてしまった俺に
「うわ…、スバル、やべぇよコレ…」
運転をしていたスバル君の友達の声が届いた。
みんながその言葉が指す方向を向くと、フェンスに囲まれた真夜中の廃工場の周りには沢山の鬼停めされた車と、ギャラリー。
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