第2話
「デカっ....地図で見たよりデカいぞ....」
事務所のビルの前に突っ立っている俺は呟いた。
僕が入る事務所の名前はVsea。今はVseaが一番Vtuber業界の中で一番勢いのある事務所だ。本当に僕がここに入っていいのだろうか?
少し緊張してVseaの事務所に向かう。
ビルに入り5階に行き、受付を探しているとと後ろから肩をつかまれた。
「?!」
『あっ驚かせちゃった?ごめんごめん』
「あービビった三静かぁ」
『そーです三静ちゃんですよ☆』
「何でここに?」
『...教えない』
「なんでだよ」
『冗談だよ!サインしなきゃいけないグッズがあってさぁ...手が疲れた....今は休憩。まだまだサイン書かないと....』
「まぁ大変そうだな....そいえばVseaの受付ってどこなんだ?」
『あー案内しようか?結構わかりづらいもんね。』
「さーせん案内お願いします....」
『うむ、気分がよろしゅう』
三静についていき、2人で事務所に入る。
「おぉ...」
実は面接はオンラインでの面接だった。なので初めての事務所だ。
一言でいうと、すげぇ...だ。
入るとホールに出る。天井が10mくらい離れている気がする。
ここ本当にビルの5階か?
『すごいでしょ。私も最初来た時驚いたんだよー』
「驚かない方がおかしい」
『そうだね....えーと?どこに行かなきゃならないの?』
「5階会議室2-6だって」
『うげー、そこ5階って言ってるのに一回階段上るんだよねー....』
「わーお」
三静に案内され、会議室の扉を開く。すると女性の方が居た。
『え?なぜ記桜さんが...?』
「あー三静に案内してもらったんです。」
『ちょっと優斗ここではできるだけVtuberの名前で呼びなさいよ』
「スマン...」
『あー案内してもらったんですね。ちょっとこの事務所複雑ですよね....気を取り直して、はじめまして優斗さんのマネージャーを務めさせていただきます岩泉と申します。』
「...まね..?まねーじゃー?」
『はい。そうですが...?』
岩泉さんはきょとんとした顔でこちらを見てくる。
僕は三静に聞いた
「マネージャーがいるなんて聞いてないんだけど...」
『えーメールで行ってないの?』
「.....あっメールに書いてあった」
『よっ!流石国語58点!見逃しあり!そんなんだから....』
「うるさいなぁ......岩泉さんこれからよろしくお願いします。」
『こちらこそ宜しくお願い致します。』
岩泉さんに挨拶をした後は三静はサインを書かなきゃいけないためほかの部屋でサインを書きに行き、僕は岩泉さんと一緒にVtuberになる上での必要なことを話していた。
『....ということで、ここからが本題です。イラストレーターにVの立ち絵を書いてもらいました。前に優斗さんに教えてもらったこうした立ち絵がいいといったものを参考に作りました』
「おぉ...」
その立ち絵は俺が想像していたものより100倍良いものだった。
『どうですか?納得いかなかったらもう一度イラストレーターにお願いしますが』
「いえいえ!!想像していたものより100倍良かったです!!」
『それは良かったです。喜んでいたとイラストレーターに伝えておきますね。それと、ロゴも作っておきました。火鉢エルですよね?』
そう言って岩泉さんはロゴを見せてきた。
「はい。火鉢エルであってます。うおぉ...すごい...」
思わず口からそんな言葉が出てきた。
それを見た岩泉さんはにっこりしてこちらを見ていた。
『あと使用機材こちらから送っておきますね。』
「わかりましたありがとうございます。」
◇
『今日はいったんこんなもんですかね。不明点はありますか?』
「ないです。ありがとうございました。」
『では...多分もう記桜さんも終わると思いますよ。』
『よくぞ言ってくれた岩泉さん!!』
突然三静がドアを勢い良く開けて入ってきた。
『あいあい帰るよー!』
「お前は僕の母親か!.....すみません岩泉さんありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします!」
『いえいえー!こちらこそよろしくお願いします』
◇
次の日。
RGTの練習から戻ったら僕のアパートの玄関の前にとんでもない量の荷物が置き配で届いていた。
腰をやらかしながらくそ重い荷物を部屋に運び、全て開けてみた。
....やべーぞVsea。どんだけ金稼いでやがる。何もお金を支払っていないのに次の物が届いていた。
・凄い高そうでハイスペなPCとノーパソ。
・モニター3枚
・Vsea独自開発のゲーミングチェア
・ヘッドホン
・V用の機材
・数種類のゲーム・ゲーム機
・仕事用携帯電話
・その他
壊したらやばそう....
俺はそう思い、とても丁寧に机にセットした。
...すげぇ!!かっけぇ!!
語彙力皆無だけどとりあえずカッコイイ!!
その夜、優斗は興奮してなかなか寝れなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます