第3話
翌日
今日は学校。
突然だが学校の前あるあるー。毎回本当にこれで荷物はすべてか、と不安になってしまう!
.....まぁ忘れたらその時だ。行こう。
と思って玄関のドアに手をかけた瞬間岩泉さんから電話がかかってきた。
「あ、はい。なんですか?」
『すみません昨日デビューの日を伝えるのを忘れていて....』
「あーなるほど。いつですか?」
『4日後になります』
「あーはい4日後ですね....え?4日後?結構早くないですか?」
『すみません少しいろいろあって...4日後の8時からで問題なければその時間でお願いします....』
「あ、はい問題ないですありがとうございます。はーい失礼しまーす」
4日後....まだPCの設定もしてないのに4日後かぁ....
頑張らないとなぁ....
◇
家を出て徒歩数分の場所にある三静の家のインターホンを押す。
すると三静は待っていたかのように勢い良く出てきた。
『おはよ~いい朝だねぇ』
「そうだな。天気良いし」
『そういえば4日後でしょデビュー日!』
「なんでわかるんだよ」
『実はVseaはデビュー一週間前に告知するんだけど、昨日、つまり5日前という前代未聞の時に突然公式カラス(SNS)から告知されたって話題になってさー』
そういって三静が携帯を見せてくる。
♡が2.3万ついている....僕のカラスの垢でも最高♡1.3万し行ったことないのに...
『ってことで優斗は期待の新人なんだよ!』
「ぇ、えぇ....」
すんごいプレッシャーだ...
そういえばまだカラスの垢作ってないけれど大丈夫かな?
「僕も今日の朝に4日後にデビューって知って全然準備してないんだよね...」
『それ大丈夫なの...?』
僕が一番思ってるよそれ。
学校に着き、親友とあいさつを交わす。
「おはよー」
『そいえばカラス見たか?Vseaから一人、デビューするVtuberがいるらしいぞ!』
「挨拶を返さないのはどうかと思うが...見たよカラス。うん。」
そういってきたこいつは大がつくほどの親友の田中圭介。一言で言うとVオタである。こいつが言っている話題はそう。僕である。
ただこいつ一つよろしくないところがあるんだよなぁ....
『んでしかもVseaの中で数少ない男性Vらしいな。Vseaがここで男のVデビューさせることについてどう思う?やっぱなんか意図あんのかな!!いやでもそんなに考えてないかな???』
その声でクラスの半数がこちらを見た。
そう、こいつのよろしくないところというのは興奮すると声が大きくなるのだ。
まぁオタクは仕方ないっちゃ仕方ないが....
「まぁ...多分....そうなんじゃない....かな...?」
『でもVseaはそんなに...でもあれか.....ブツブツブツブツ』
今すぐ逃げ出したいような話題である。...神は意地悪なのかしらんけどもうチャイムが鳴る時間なのにチャイムがならない。おい神様しっかりしてくれよ
そう願っていると前の方の席の女子がじっとこっちを見つめていた。彼女の方を見て少し首をかしげるとやっと見られているのに気付いたのか気まずそうに顔を前に戻した。
圭介も見ていたらしく、
『...なんだあいつ。誰だっけ?』
「何で僕に聞くんですか?」
それにしてもあの女子は何故こちらを見ていたのだろう?
◇
その後は普通に時間が過ぎ下校。
圭介ではないが友達と帰ろうとしたのだが、
「三静さん?何故帰るとかなんも話してないのに隣に?」
『どーせ優斗一人で帰るんだからよくない?』
「いや僕友達と帰ろうとしてたんですけど」
『いやっ大丈夫だよー、また今度...ね?優斗?....あけど最後にちょっと来いー?』
呼ばれ少し離れた場所に行くと
『お前明日覚悟しろよ』
と脅迫された。え、これって立派な脅迫だよね???
◇
「あのー...三静さんもうちょい離れないと...」
『何?離れる理由なくなーい?』
「そのままだと目の前の電柱とフェンスに糸張ってる蜘蛛の巣に顔ダイブしますよ?」
『うぇええっ?!嫌っ!』
意外と三静は美少女なのでそんな会話を聴いてまわりからは殺意が混じった目線が下校中に感じられたのは言わずもがな。
◇
家に帰り、まず最初にVseaから支給されたゲーミングチェアに座り、支給されたPCの設定を終わらせる。
PCに入れるアプリ等々は岩泉さんからもらった資料に書かれているのでそれに沿って設定していく。
既存のブラウザを別のブラウザに変えて.....
Vの機材を動かすアプリ入れて...
ディスプレイどうしを繋いで....
仕事用の携帯にVのアプリ入れて...
あいパパっと終了僕天才!
.....ん?.....あれ?エラー....?
◇
普段僕が使っているPCとはメーカーが違うので少し手こずったが無事に設定できた。
ただVのアプリがよくわからない....今度三静に聞いてみよう。
いつの間にかもう7時である。今から買い出しに行くのめんどくさいからウーバーフード頼んじゃお。
その日は贅沢にハンバーガーを頼んで幸せに眠ったとさ。
ちなみにPCの設定中、Bskの北条コーチから鬼電があったことに気付くのは後日。
レーサーだけどVtuberやってみることにしました。 みかんご @haboka
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