人と妖の恋心は、ここまで美しく丁寧に表せるのか⋯⋯っ!

新選組の監視下に置かれ、心を塞ぎこんだ鬼の少女:月夜魅(つくよみ)。

主に沖田総司、副長の山南敬助らで繰り広げられる人✕人外エピソードで、"ひとりの人"として生きようとする健気な姿を一度拝めば、もう目をそらせません。

タグの『切ない恋』が、読み進めるごとに深みを増していきます。しかし、この一言で終わるには惜しい作品です。



触れたら壊れそうな登場人物たちの"やさしい心"。それがもたらす、人と妖という相容れない関係から解かれていく心情は「美しい」の一言に尽きます。

特筆したい点は何と言っても、1人ひとりの描写がとても丁寧なところ!

読み終わりは、自身の息づかいまでゆっくりとなります。この余韻がくどくなく絶妙です。



恋愛系がお好きな方も、普段あまり読まないという方も、是非ご一読くださいませ。

心という、目に見えないモノが緻密に表現された綴りに、きっと癒されることでしょう。





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《作者様へ》
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本当は毎エピソードに♡が足りないくらいです。しかし、私のコメントにより世界観をぶった切らないか不安でしたので、溢れる「素敵」という思いを、レビューにて失礼いたします。

これからも、微々たる力ではありますが応援しております♪