第118話

昔もよく、こうやって看病してもらった。



僕は幼い頃、体が弱くて床に伏せることが多かった。少し無理をすると直ぐに熱が出てしまう。




その度に両親は優しく僕を看病してくれた。特に父さんは他の兄弟の面倒をみながら僕にも付いてくれた




薄味の雑炊、そして大きな父さんの手と優しい声が僕を包んでくれていた




「んっ、」




昔と同じ卵雑炊の匂いがして目が覚めた。




「起きた?ごめんな、伊織。」




湯気が立つ熱々の雑炊を手に僕の隣に座る父さん。昨日雨に濡れたせいだから僕が悪いのに謝られると申し訳なくなる。




大分体は強くなったけど、それでもまだ無理をしたらこうして熱を出してしまう。




「無理するなとは言わないけど無茶はするなよ。」




わかってるよ。きっと、父さんは僕が少し無理をした事に気付いている。




「うん、ごめんなさい。

これから気をつけるよ。」




そう言うと父さんは、ああと優しく笑い僕の頭を撫でた。

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