第110話

そんな血だらけで倒れている龍樹を見つけたのが偶々僕だった。




その日は雨が降っていて、なんだかいつもの道を通るのが面倒だった。だから、近道である公園を突っ切って帰ろうとした。




僕は入学した当初、地毛が少し茶色い髪の毛のせいで先輩から何度か呼び出されることがあった。最近はだいぶ減っていたけどその日は久しぶりに呼び出されたせいで帰りが遅くなった。




そのせいもあって近道したんだ。少し憂鬱な気分で雨に濡れて泥濘む地面を歩いていると唸り声が微かに聞こえた。




気の所為だと思って通り過ぎようとしたけど何故か足が止まった。多分ただの気紛れだったんだ。




ふと視線を声の方に向けるとジャングルジムに寄りかかり荒い息をしている人がいた。




雨のせいで視界が悪く立ち止まらないと分からないけど確かに誰かいる。

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