第94話

「仁はさ、昔から我慢強いよね。

自分を蔑ろにしてでも弟たちの面倒を見てた。」




急にそんなことを言い出す



「偶には、仁の好きなように動いていいんだよ。

仁がそこまで言うってことは余程大切な友達なんだろ?

そういう存在に出会えたことは奇跡なんだ。」




優しく諭してくれる




「俺のことは気にしないでいい。

今日のことでその子と距離を置くなんてしなくていい。

仁がしたいようにしたらいい。」





そう言って優しく笑う




親父にとって嫌な思い出しかない東條




そんな東條の血を引き、跡継ぎの雪夜と関わることは親父にとって良いことじゃないんだろう




それでも、俺のために背中を押してくれる




「っありがとうな親父。」




「うん。

でも、そっちより次男の方が気になったけどな。」




そうポツリと呟く親父




親父の言う通りだ




聖夜は壊れてしまうんじゃないかと思うくらい酷い扱いを受けていた




きっと、普段からあんな感じなんだろう




さすがに歩いて帰ることは出来なくてタクシーを拾い家まで帰る




今日はアパートではなく実家に帰った

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