第82話

そんな俺たちに痺れを切らしたのか老人が再び声を掛けてくる



その声にこの状況を思い出す




安心している場合じゃない




「・・・天煜、なんでお前がここにいる。」




苦虫を潰したような表情で親父の名前を呼びながら問いかける老人




その後ろからは"天煜?"と呟く声も聞こえた




やっぱり親父はこの人たちと面識があるんだ




「お久しぶりですね。右京さん。

それに、東條天弥さん。」




俺たちに優しい笑顔を浮かべ視線を向けたまま、そう言葉を放ち老人と老人の後ろにいる男をみる





「二度と会うことはないと思っていたんですけどね。

俺の大切な息子たちが世話になったみたいでね。」





この空間に全く臆することなく平然と答える




頭が付いていかない




「お前の息子・・・それは・・・」




何かを言いたげな老人はなんとも言えない表情で俺たちを見る




「仁、蓮凛ごめんな。」




そう言って振り返った親父の顔は凄く哀しそうで辛そうだった





その表情にどんな想いが詰まっているのか俺には分からない




ただすごく辛そうで俺たちに申し訳ないって顔をしていた

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