第80話

「親父?」



俺の声だけがやけに響く




「・・・」




「・・・」




微動だにしない2人





かと思ったら急に男が話し出す




「流石だな。引き金を引いても表情を変えず瞬き一つしない。お前、ヤクザ向いてんじゃねえの?」




悪びれなくそう親父に話しかける男




嫌味ったらしく、不適な笑みを浮かべている




「お前に俺を殺す度胸なんてないだろう。

それに、お前が本気だったなら仁たちは既に殺されてる。これで終わりでいいんだろ?」





2人の会話の内容が理解できない




まるでこの男のことを知っているかのような口ぶりだ




「相変わらず生意気で腹の立つやろーだな。

今回はお前に免じて許してやるよ。」





周囲が状況を理解できていない中2人だけの会話が続く





「お前もな。出来れば二度と会いたくなかったよ。

ガキの喧嘩に出張るほど落ちたんだな。

てめぇのガキくらいしつけろ。」





親父らしくない言葉遣いに一瞬目の前にいる人が別人に見える



ただ分かるのは親父が怒ってるってことだ





不穏な空気が漂う中、状況が掴めず周りを見渡すが全員同じ反応をしていた





雪夜でさえ理解できていないようだ





そんな雰囲気の中、足音が聞こえたかと思うと襖がスパンと開けられた




そこには、着物を着た白髪の老人が立っていた




「なにをしている?」




その一言でさえぞくっと来るような覇気を持つ

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