第12話
母が家事をして、父が稼ぐ普通の家と違う
父さんの出来が悪いから働けないんだ。
駄目な父さんなんだと周囲から言われることが嫌だった。
何を言われようと怒りもせず、笑っている父さんに腹が立った
でも、父さんは自分が選んだ道だからと頑なに曲げようとはしなかった
仕事より俺たちと過ごす時間を大切にしたいんだと働こうとはしなかった。
それなりに良い暮らしをしてきたと思う。
それは母さんの給料だけでは絶対に賄えないことは働いて気づいた
俺たちの学費や教育費、生活費もどこから出しているのか今でも不思議だ
たっちゃんに貰っているのかもしれない
昔一度気になって時雨に聞いてみたがはっきりと教えてくれなかった
それに、噂のことで父さんが情けなくて仕方ないと相談したときは凄く怒られた。
「はあ?天煜兄は家族と過ごす時間を大切にしたいってお前たちの傍に居ることを選んだ。うちの会社だって・・・、いや何にもない。気にするな。取り敢えず、天煜兄は凄い人なんだよ。地位や名誉よりも子供たちと過ごす時間を選んだんだ。」
言葉を濁し何も教えてくれなかった
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