第39話
俺は主にもう一つの報告をするべく口を開く。
「どうした?」
「ジョバンニの報告がもう一つ、あります」
主の眼が俺に向けられる。
「…話せ」
「内親王様付きの宮女が一人、行方知れずとか。これはジョバンニが内密に調べた事です」
「そうか」
「はい」
「…ジョバンニにもう少し探る様に伝えろ。あれには手間をかけるが、事が王宮の中であれば親王殿下側がこれを知ったところで簡単には動けまい。彼等への報告は最後で良い。レナード様が敵でなくともこちらの情報をいちいち教えてやる必要はない」
「はい」
「…内親王付きの宮女か。確かにエルンスト公の話題が最初に出たあの時、手の者が既に居たなら納得がいく」
「しかし事は重大。疑いだけでは動けません。慎重に調べを進めねば。いずれにしろ…」
「放っておく訳にはいかない、か。」
主の声は物憂げだった。だがきっぱりと言い切りながら俺を見たその瞳は。
公爵家の長子としての誇りに満ちていた。
「…とりあえず、ジョバンニの内偵を終えてからの話だな」
主は椅子から立ち上がり、俺のほうへ歩いてくる。
「ティレージュ様?」
「ルシアス、剣の鍛練でもしよう」
ただ待つよりも。
己を磨く事を望まれる。
「はい」
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