第6話 父、住む家を失う危機

私の父は築ン十年の長屋住まいである

同じ敷地に古いながらも立派な大家さんのご自宅が建っている


ボロ長屋だが、大家さんもいい方だし密ではないがご近所付き合いもある

一人暮らしの父にはちょうどいい環境かな、と思っていたのであるが・・


ある日実家に顔を出した際父から、大家さんが自宅から長屋まで一式不動産屋に売ったらしいと聞いた

これから管理はその不動産屋がするらしい、と。

私も父ものんきに「ナンボで売れたんやろねえ〜

土地持ってるとお金入ってええねえ〜」

などと話していた



・・その数カ月後、その不動産屋から建物の老朽化を理由に立ち退きを命じられた


は?

え、いやちょっと待って

出て行けと言われて

「おけまる水産!」(古い)

ってなるかああ!

住む場所が無くなってどうやって生きていけと言うのさ!

おとんを野垂れ死にさせる気か、この悪徳不動産屋〜!

とプリプリしながらも、とにかくどうにかせねば!と調べてみた、とりあえずグーグルで。


すると驚きの検索結果に・・

立ち退きの理由に建物の老朽化と言うのは正当な理由になるそうだ(冷静に考えれば大地震などが来て倒壊などとなる可能性があるならば、確かに真っ当な理由だ)

それに突然の話でアワアワなったが、私は不動産屋の話の流れを冷静に思い出してみた


①立ち退きまで半年待ちます。

②立ち退き期日までの家賃は一切戴きません。

③引越し先が見つからない場合は、弊社が管理しているマンションへ入っていただけます。

④必要な物だけ持ち出してもらえれば、不要な物はこちらで処分します。

⑤立ち退き料支払います。

 (↑コレめちゃ大事やん!)


うーむ。

さすがと言おうか、不動産屋もきちんと納得させる条件は揃えてきているようだ

私は市の弁護士さん無料相談にもすがってみたが、弁護士さんも立ち退きは致し方ないかもしれない、との返答。(ただ無料相談だったし、専門外のようだったのでお金を支払って専門の弁護士さんの所に相談に行っていたら、またちょっと話は違ったかも)

ただし、

立ち退き料に関しては、1回で素直に了承する必要はありません! 必ず交渉してみて下さい!

とのアドバイスを頂いた


父の年齢で今から引っ越しとはかなりキツイ

しかも私の父は丸投げおとんである。

私と姉が全面的に動かないといけないのは間違いない

そう思うと口から魂が抜けそうな程のため息がこぼれるばかりであった




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