第5話 持ってる父その②
胃薬が足されてからは驚くほどすぐに食事が取れるようになった
最初はおかゆなどの離乳食みたいな食事だったが、すぐに普通食を食べられるようになった
今までの時間は何だったんだ・・と思う程みるみる回復していったのである
一時はHCUにいた父も一般病棟に移り、元気が出たようで
「もうアカンかもしらんって思ったけど大丈夫そうやわ」
とのんきに笑っていた
その後はリハビリを経て退院の運びとなった
そこでリハビリの先生から
「こんなに後遺症が残らなかったのは奇跡です
よ!」
と心底驚かれたそうだ
確かにしゃべりも以前と変わらないし、マヒなども残らなかった
約3ヶ月入院していたので少し体力は落ちていたが、それでも退院の際は自力でしっかり歩いて帰ったのである
後日、家で動けなくなった時の話を聞くと、まず父のお友達が電話をくれたこと、体が動かないのにどうにか電話に出られたこと、しかもその友人は普段なら数回コールして出なければすぐ切るのに、その日に限っては延々コールし続けてくれたそうだ
そして私の携帯番号を暗記していた訳ではないのに(ちなみに父はスマホを持っていない)何故か私の番号を伝えることができ、私に連絡がきた
私も知らない番号なのに不思議とその時は電話に出て無事病院へ行くことができた
有り難いことに後遺症も残らず退院もできた
いや〜父よ、あなたは持ってる!
と言うより、バックに強力な見えない何かがついているに違いないと私はにらんでいる
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