第4話 持ってる父

父は持ってる、と強く思ったエピソードがある


もう何年も前になるが、スマホに知らない番号からの着信があった

普段なら絶対に取らないのに、その時はなぜか電話を受けた

すると父の友人と名乗る方からで、慌てた様子でまくしたてた

「娘さんか!?

 今お父さんに電話したら、意識はあるけど体が全

 く動けへんって言ってんねや

 すぐ行ったってくれるか!」


なんと、それはエライこっちゃと慌てて実家に向かった

到着すると、確かに父が転がっていた

意識ははっきりしているようで話もできるし、痛がったり苦しんでいるようにも見えないので、一見今から昼寝かな?くらいの感じだったが、やはり体が動かせないと言う

もしかしたら脳梗塞とかか?

と思い救急車を呼んだ

すぐには受け入れ先が見つからず30分程救急車で待機していた

脳の問題なら時間との勝負ではないか!

しかも聞けば前日の晩から調子が悪かったと言う

私が連絡を受けて救急車を呼んだのはもう午後の話である

早く早く!と気持ちばかり焦る中、ようやく受け入れ先が見つかり病院へ向かった

そこで受けた診断は熱中症による脱水症状とのことだった


え!そうなの?

じゃあ入院して適切な処置を受ければ大丈夫そう、とほっと胸をなでおろした


が、しかしである

点滴をして様子を見てもなかなか体は思うように動かせず、食事も一切受け付けない

かろうじて話は出来るが、どう見ても回復していく様子がないのである

さすがに病院側もおかしいと思ったのか、検査してみることになった

すると小脳で軽い梗塞が見つかったと言うのだ

うおおおい!

やっぱり脳だったじゃん!

その後の治療方針の説明を受けたのと同時に後遺症が残る可能性が高いと言われた

もし重い後遺症が残ったなら病院訴えるべきか?などと思いつつ様子を見た


その後は体は動くようになったが、やはり食事が全く取れなかった

病院も仕方ないので点滴で栄養を補いながら原因を探っていたようだが、理由が判明した

普段から飲んでいる胃薬を投薬し忘れていたのだ!


うおおおい!!!

大丈夫か、この病院!

しっかりお願いしますよ〜!

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