「ちょっと母と子二人だけにしてくださいます？」

そもそも俺はあなたの子ではないのですが...！？

「お？おう。」

大樹さんは透子さんの力強いその言い方にそれだけ言って出て行った。

「何ですか？改まって。」

「あなたは多分、恋愛感情ってものを理解していないのでしょう？」

そんなことをいきなり真剣に言いだすものだから内心驚く。

「...多分。

いや、分からないです。たくさん大事にしたい人はいるけど。好きってなんですかね...。」

なんで本当の親でもない最近親しくなった相手にこんな相談してるんだろ。

それだけ透子さんの母性がすごいのかもしれないな。

それとも、ただ俺がそんな人を欲していただけなのかも。

「きっと好きって形は人によって違うと思うの。でも、他の人とは違う特別な感情が抱けるような相手であることには間違いないわね。」

この言葉の真意は俺にはまだわからないけれど、何かを得られた気がするのは気のせいだろうか。

これはあえて言葉にするならば勇気といった類のものか。

レオとちゃんと話し合わなければ...。

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