戸惑い
第30話
「...。」
「どうしたの?クロ、食欲ないの?大丈夫?体調悪い?
...大変だわ!クロが何かの病気よ!」
「...あっ、いや。」
朝からずっと考え事をしていて、食事に手をつけることも忘れていた俺は透子さんの声で目が覚めた。
「何だ?朝からうるせぇな。」
「朝から全然反応ないし、ご飯も食べないのよ〜。」
「もう大丈夫なんで。」
「何だ?恋の悩みかぁ?」
「っ、ゴホッゴホッ。」
思わぬ大樹さんの言葉にご飯を食べ始めた俺は、喉にものをつっかえてしまった。
「えっ?そうなの?それならお母さん、相談乗ってあげるわよ!!」
あんたは俺の母さんじゃないだろ。
「そんなんじゃないんで。」
「...どう考えても図星だろ、お前。」
「うるさいですよ、俺の私情に口挟まないでください。」
「え〜、つまんなーい。私、自分の子とこういう話するの夢だったのに」
だから、俺はあんたの息子じゃないんだが。
...今の悩みを誰かに相談できるもんか。
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