第17話

雅side



「雅くん!百嵐に入ったって本当なの!?」




「...あ、あぁ。」




俺がいつの日か普通に話しかけてくればいいと言ってから、よく女子たちから話しかけられるようになった。




「しかも、朱雀は雅くんだったって本当なの!?」




「なんでそんな事まで...。」




俺の周りを囲む女子達から目線を奏に向けて見ると、あいつは焦ったように目を逸らした。



こいつが犯人か。




「わ、悪かった!だからそんな目で見ないでくれぇっ!」




「ったく、...最悪。」




「お願いします。お願いします。嫌わないでください。雅様っ!」




「...。」




俺はうるさい奏を無視して右手で頬杖をつきながら知らないふりをした。




今はロングホームルームの時間。


文化祭のことを決めるとかで俺たちもさぼらずに教室に来ていたのだが、こんな事になってしまいそれどころではなかった。




「文化祭のなにやるか決めるんでしょ?席に着いたら?」




いつまでも俺の前から動かない女子たちを思い出し声をかけた。




「「「「はい!」」」」




女子たちは俺がそう言うと、次々に席に戻っていった。

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