26

「あー気づいてたんだ。別になんでもないよ」


「た、タクトさんがアイツが心配だから帰るって」


あれ?これ会話盗み聞きしてたのばれるやつじゃ


「タクがそういったの?コヤギちゃんに?」


「…いえ、そう言ってたのを聞きました」


「正直でよろしい。盗み聞きはよくないよー」


「うっ……そのとおりで…すいませんでした」


「いーよべつに。気にしてないから」


あぁ…すき、この笑った顔


走ってきてよかった

勇気出せてよかった

あのとき好きだってばれてよかった



「…教室いこ」


2人で階段をのぼりはじめた


どうしよう


どきどきする

きんちょうが…


「……タクが言ってたアイツって俺のことじゃないよ」


階段を登りならがハヤトくんが話しかけてくれた


「へ?」


「アイツは別の子」


別の子?

ほかに誰かいるの?


「…別の子…?」


「俺の好きな子」


みたこともないくらい幸せそうな笑顔

はじめてみた


頭が真っ白になった



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る