25日目
肺に酸素が入る、二酸化炭素が出ていく。認めたくない誰かの成功が鵜吞みにされ、見られたくない嘘と失敗が出ていこうとする私の「肺」は、私の言うことを聞いてくれやしない。私が幾度となく呼吸を拒んだだろうか、その度に肺は呼吸をする。
肺の温もりがそこにある。言うことを聞いてくれないのに、温もりだけは一丁前に示してくる。
それにどれほど救われたことか。私は「孤独」と常に隣り合わせで、きっとこれからも孤独感に連れ回されるのだろうと感じていた。昔は親の温もりに触れることができていた。だが、独り暮らしを始めて4年、社会人の私は、温もりに触れることは無くなっていた。だから、私の中にある「臓器」たちは、私を示してくれた。
幾度となく、肺を恨んでいたか。しかし今はきっと、救われているのだろう。いつか私がいなくなった時、私は彼らを、役に立てたい。
孤独感を消してくれた君たちを、私はこれからも愛する。
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