第54話 「猫に転生していた首席補佐官。人間に戻る!」

 「今までのあらすじ」

 アース星の大統領の首席補佐官は、違う宇宙の地球の川原の友人の啓太が猫に転生するという大統領の計画を阻止する事に成功した。しかし、補佐官は猫に転生してしまった。

 地球の川原知人(かわはらかずひと)と今井昭(いまいあきら)は、どうにかして、首席補佐官を猫から人間に戻そうとしている。


 第54話「猫に転生していた首席補佐官。人間に戻る!」

川原知人は、大学での授業が終わり、家に帰宅する帰り道に、首席補佐官に再び出会った。しかし、最初、川原は補佐官とは気づかなった。なぜなら、その姿は今までの猫の姿ではなく、人間の姿だったからだ。川原は知らない外国人だと思い、横を通り過ぎようとしていたら、声をかけられた。

「川原さん。はじめまして。私は地球とは別の宇宙の惑星アース星のアスいう国の大統領の首席補佐官だった者です」

 いきなり、知らない人だと思っていた人に名前を呼ばれ、言葉の内容の理解に少し時間がかかった。

「えっ!猫から人間の姿に戻っている!」川原はびっくりして大きな声を出した。

「そうです。転生装置の誤作動で1度は猫になってしまいましたが、今は人間の姿に戻っています」首席補佐官はこたえた。

「そうなんですね。大統領に転生装置で猫から人間に戻してもらったんですね」

「さすがに、猫のままだと可哀そうだと大統領は考え、人間には戻してもらいました。しかし、大統領に歯向かった罰でアース星には戻してもらえず、地球で一生、生きていくように命令されました」補佐官は、さっぱりした表情で話した。「それはかなり厳しい罰ですね。地球での生活は慣れましたか?」川原は補佐官にきいた。「そうですね。私はアース星よりもこちらの地球の方が好きですね。アース星は科学技術が発達し過ぎて、AIに支配され過ぎていて、1人の人間として自分の頭で考えて行動している感じがしないので、地球の方が私は好きです」補佐官は意外な事を言った。「そうなんですね。アース星はそんなにAIに支配されているんですね」川原はアース星の事をほぼ何も知らないので、基本的な事にびっくりした。「これは、失礼しました。てっきり、アース星の事は私の手帳でもっと知っているんだと思いました」

補佐官は言った。「手帳は未知の言語で書かれていてあまり解読できなかったんです」川原はこたえた。「なるほど、解読はやはり難しかったんですね」補佐官は言った。

 

 話し終わった後、連絡先を交換して、川原は帰宅した。今日、補佐官に会った事を今井昭に電話で話した。「意外にすぐに補佐官に会えたね」昭は、知人に言った。「早めに会えて良かった。これで、次の授業からあの変なデザインの服を着て、講義しなくてよくて嬉しいよ」私は昭に言った。補佐官に会うために川原達は補佐官に向けたメッセージを絵で表現して、それを服にプリントしてずっと着ていたのだった。「わりと似合っていたのに残念」昭は本気なのか冗談なのか分からない事を笑って言った。「それで、今後どうするか明日以降に会って相談しよう」昭はわりとまじめな感じに言ったのだった。

(続く)

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