第51話 私は転生する前の世界に戻りたいのか?
「今までのあらすじ」
地球とは別の宇宙の「アース星」の大統領の首席補佐官は、地球の啓太を猫に転生させる大統領の計画を阻止しようと、転生装置を操作する人に体当たりをした。その時、転生装置とぶつかり、その衝撃でどうやら機械が誤作動してしまった。機械の誤作動の結果、補佐官はなぜか猫になってしまい、猫に転生した状態で地球に送られれしまったのだった。
「第51話 私は転生する前の世界に戻りたいのか?」
次の日の夕方、猫に転生してしまった大統領の首席補佐官は啓太と会うために、啓太を待ち伏せしていた。すると、また川原知人(かわはら かずひと)に会った。川原は、補佐官に言った。
「君は誰なんだ?」
補佐官は「にゃあ」と返事をして質問に、こたえるかわりに握手をしようと川原の手を触った。川原は少し驚いたようだった。すると、川原はこう言った。
「もし君が誰か人間の生まれ変わりなら、誰なのか。そして私にな何の用なのか教えてくれよ」
この質問にもちろん、こたえていのだが、猫になってしまった私には言葉で返事をする事はできない。
どうしようかと補佐官が、まよっていると川原の後ろから声がした。
「知人、何しているの?」啓太だった。補佐官はようやく会えたと思った。
「啓太。どうしてここに?」川原は言った。
「いや、知人が猫に転生とか、おかしな事を真剣に言ってたから少し心配になって知人の家に行こうとしていたんだ」啓太は、こたえた。
補佐官は啓太達に猫に転生する前に書いていた手帳を見せる事にした。
「何だろう?」啓太が補佐官の手帳を覗き込んだ。
啓太と川原は手帳の内容についてしばらく話していた。補佐官は啓太なら手帳の中身を解読してくれると信じる事にしてた。補佐官は安心して啓太のもとを離れた。
そしてかなりの年月が経過した。しかし、いつまで待っても啓太が暗号を解読してくれる事はなかった。
場面は変わって、ここはカフェ。川原と今井昭がしゃべっている。
今井昭(いまい あきら)は転生する前の川原知人の結婚相手である。補佐官の手帳は一旦は警察に預けられたが今は今井昭が持っている。手帳の中に今井昭の名前が書いてあり、警察が今井昭に渡したのだ。今井昭は、完全ではないが手帳の中身を解読に成功していた。
「そういうや、猫になった補佐官はまだ生きているかな」川原は言った。
「猫の寿命は、平均16歳くらい。今、知人は40歳。大学院に行っていたころに補佐官が猫に転生したと考えると、微妙なところだね」昭はこたえた。
「そうかあ・・・。自分達の感覚だと、ついこの前のような気がするけど、猫の寿命を考えると、かなり時間が経っている感じがするな」
「転生した猫が普通の猫と同じような平均寿命になるかは、なんとも言えないけど、人間と同じくらい生きれるとは思えないね」昭は言った。
「そうだよね。でも、もしかしたら生きている可能性があるなら、何か情報をひきだせるかもしれないし、早めに会いにいきたいね」
「でも会って、知人はどうしたいの?」昭は言った。
「どうしたいんだろう・・」川原知人は考えがまだ、はっきり決まっていないようだった。
(続く)
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