第47話 猫がくわえていた手帳に書かれていた驚きの内容
「今までのあらすじ」
鈴木愛衣(あい)(女性)は大学生で、科学技術が発達した惑星(アース星)に住んでいた。今井昭(あきら)(男性)は鈴木愛衣の結婚相手である。
愛衣の心(魂)は、大統領の計画で邪魔者を排除するために他の宇宙の惑星(地球)の川原知人(かずひと)(男性)という名前の胎児の中に送りこまれた。
愛衣は今、川原知人として生活している。愛衣は昔の記憶は覚えていなくて、最初から川原として生まれたと思っていた。川原は大学院を卒業して、今は大学で教授をしている。川原は地球で偶然、転生した後の今井昭に会ったのだった。
第47話 「猫がくわえていた手帳に書かれていた驚きの内容」
「それで、猫がくわえていた手帳を書いたのは誰なの?」私は訊いた。
「手帳を書いたのは、地球とは違う宇宙のアース星という惑星の大統領の首席補佐官だ」昭はとんでもない事を言った。
「ええええ。大統領の首席補佐官!しかも別の宇宙の惑星!」私は驚き過ぎて腰を抜かした。しばらくしてから私は立ち上がり再び昭に訊いた。
「それで、その内容は何だったの?」
「それは、全く私達が知らない未知の言語だったので、ちゃんと解読するのは難しかった。でも、首席補佐官はかなり優秀な人物だったらしく、だいたいの内容は私は知る事ができた」
「どうやって未知の言語を解読したの?」私は訊いた。
「絵が描いてあったんだよ。それと言葉との対応関係が書いてあって、だいたい分かった」
「なるほど。例えば、トマトの絵が描いてあったとして、横にトマトに対応する言葉が書いてあって、それでその言葉の意味が分かったて事ね」私はすぐに昭さんの言葉を聞いて理解した。
「さすが愛衣だね。かなり優秀だ。だいたいそんな感じで合ってるよ。それで、その内容なんだが、どうやら、首席補佐官が猫になって、この地球に来たという事が書かれていたんだ」
「昭さんすごい。未知の言語から、猫に転生したというメッセージを読み取るなんてすごい」私は感心して言った。
「いや、人の絵が描いてあって、その後に、矢印みたいな記号と機械みたいな絵と猫の絵が描かれていたから、わりとそこは簡単に解読できたよ」
「なんだ。そう聞くとたいして解読が難しくなさそうな気がしてきた」私は笑って言った。
「でも、首席補佐官とかそういう部分の解読はかなり難しかったよ」昭はこたえた。
私は、急に思い出して言った。
「もしかして、手帳をくわえていた猫って首席補佐官だったのかな」
「たぶん、ほぼ間違いないだろうね」昭は言った。
「やっぱり、そうだよね。じゃあ、あの猫に訊けば、何か分かるかも」私は言った。
「でも、今の技術では猫と会話する事はほぼ不可能に近い」昭は残念そうに言った。
「そうか。じゃあ、手帳を完全に解読する方が早そうね」
「それも、かなり難しいよ。未知の言語で、ほぼ手がかりがない・・」
私はまた急に思い出し言った。
「あれ?でも、私もだけど昭さんもアース星出身だから、未知の言語って言っても母国語ではないけど外国語。地球で言えば英語みたいな言語のはずだから、全く分からないって事はないんじゃないの?」
「いや、愛衣もそうだと思うけど、私も言語の記憶は母国語も含めて、全く憶えてないんだよ・・」昭は言った。
「確かに、そうね・・・」私はこたえた。
(続く)
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