第38話 他の動物に転生?
「今までのあらすじ」
鈴木愛衣(あい)は大学生で、科学技術が発達した惑星(アース星)に住んでいた。愛衣の心(魂)は、大統領の計画で邪魔者を排除するために他の宇宙の惑星(地球)の川原知人(かずひと)という名前の胎児の中に送りこまれた。愛衣は今、川原知人として生活している。愛衣は昔の記憶は覚えていなくて、最初から川原として生まれたと思っている。川原は現在、大学院へ通っている。
「第38話 他の動物に転生?」
私と大学の時の親友の啓太は、カフェで美味しいものを食べながら会話をしている。時間は午後3時くらい、今日は快晴で過ごしやすい気温だ。
「もし、人間以外の生き物に生まれ変われるとしたら、何が良いかな?」私は唐突に思いついた事を何気なく言った。
「急に変な事、言うね・・」啓太は苦笑して言った。
「いや、何かこの話題を今、しとかないと駄目な気がして、なんとなく訊いてみた」
「そうだな。やっぱり、生き物に植物が含まれるなら、植物じゃなくて、やっぱり動物が良いかな」啓太は言った。
「そうか。植物も生き物に含まれるんだった。やっぱり、タンポポとかに生まれ変わったら、すぐに死んじゃいそうだし嫌だね」私は本当に嫌そうに言った。
「タンポポなら綺麗だし、寿命も10年から25年だからまだましかもしれないね」
啓太はさりげなく豆知識をいつものように言った。
「意外と長生きだね。25年なら私より年上だ。確かにもっと寿命が短い雑草とかに比べたらタンポポの方が良いかもね。でも、やっぱり動物が良いな。何が良いかな。猫かな、犬かな・・。私は猫が好きだから猫が良さそう」
「猫の寿命は13年から20年だね」
「ええええ。タンポポと寿命が変わらないじゃん。むしろ、短い。犬の寿命はどれくらいだっけ?」
「犬の平均寿命は15年くらいだね」
「そうかあ・・。猫と同じくらいだけど、少し短いくらいなんだな。そう考えると、人間以外の動物って寿命が短いんだな」
「寿命が長い動物って何がいるのかな?」
「アルダブラゾウカメが200年、タカアシガニが100年、シロナガスクジラが80年って言われてる」
「鶴は 千年、亀は万年って言うし、やっぱり亀は長生きだな」
「亀はほとんど老化しないものもいるらしい。詳しく研究すれば、人間も不老不死に一歩近付くかもしれない」
「不老不死か。そんなに長生きしたいとはあんまり思わないけど、興味深いね」
私は言った。
場所は変わり、ここは大統領のいる部屋。大統領と大統領首席補佐官はいつものように会話をしている。
「確かにカエルにするのは少しかわいそうかもしれないな」大統領はぽつりと言った。怒られると思ったが、意外と大統領も素直に私の言う事を聞いてくれる事もあるのだなと補佐官はほっとした。
「じゃあ、犬か猫の2択だな。どうしようかな・・」大統領はとんでもない事を言った。
「さすがに、冗談ですよね」補佐官はさっきの発言で安心して思わず言ってしまった。大統領はまたこちらをじろりと見て言った。
「私が今まで冗談を言ったことがあったかな。」大統領は言った。
補佐官は背中がゾクゾクしたのだった。
(続く)
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