第36話 火星で人間は生活できるのか?

(今までのあらすじ)

ここは地球の日本。私の名前は川原知人(かずひと)(男性)。川原の中の人は、鈴木愛衣(あい)という名前の大学生で、科学技術が発達した別の宇宙の惑星に住んでいた人間である。愛衣の心は、地球の川原知人という名前の胎児の中に送りこまれ、今は川原知人として生活している。愛衣は昔の記憶は覚えていなくて、最初から川原として生まれたと思っている。これは川原が大学院へ進学してからの話である。


「第36話 火星で人間は生活はできるのか?」

私は大学院に入り、哲学の研究をしている。何かすごい大発見ができそうな予感がしている。

 

 今日は休日で、大学の時の親友の啓太に、ひさしぶりに会い、お洒落なカフェでスイーツを食べながら、会話を楽しくしている。会話の内容は最近、ニュースになっていたイーなんとかマスなんとかと、ジェなんとかベゾなんとかの宇宙開発の競争を見て、いつものように宇宙開発の話をしている。

  

 「宇宙開発の目的は人類の活動領域を拡大したり、地球での生活を豊かにしたりするためなんだ」啓太が私に言った。

「イーなんとかマスなんとかは、活動領域を拡大して、他の星の移住とかそういう事を本気で考えているっぽいんだ」

「それで、宇宙開発に莫大な資金を投じているんだね」私はこたえた。

「大統領も宇宙開発に力を入れているって噂だ」

「大統領も!それは、すごそうだ」

「人類の活動領域を月、火星に拡大するという計画が進んでいるんだ」

啓太は力強く言った。

「火星かあ。火星って人間が生活できるような場所なんだっけ?」私はいつものように啓太に質問した。

「火星の平均気温はマイナス40℃からマイナス60℃。最高気温は30℃、最低気温はマイナス140℃くらいだよ」

「さっむ!めっちゃ厚着しないといけないね」私は体を縮めて寒そうなジェスチャーをした。

「しっかり、防寒対策する必要があるね」

「火星の大気の96パーセントが二酸化炭素なんだ」啓太は言った。

「96パーセント!呼吸できないじゃん。地球の大気ってどれくらいの割合だっけ?」

「0.03パーセント。大量の酸素を火星で作るか、地球から持ってくるかどうにかする必要がある」

「なるほど。わざわざ地球から持ってこなくても向こうで作るって選択肢もあるんだな」私は感心して言った。

「まあ、そっちの方が現実的だね。火星で酸素を作る方法は、固体酸化物電解により火星の大気に含まれる二酸化炭素(CO2)を一酸化炭素(CO)と酸素イオンに分離して、その後、酸素イオンが2個結びけて酸素(O2)を作る仕組みなんだ」

「二酸化炭素なら火星にいっぱいあるから、酸素は作れそうだね。火星に水はあるんだっけ?」

「なんか最近、地下に液体の水を発見したみたいだね」

「水あるんかい!じゃあ、普通に住めそうだな」

「そうだね。近い将来、火星に移住する日が来そうだね」

(続く)

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