第30話 宇宙エレベーターなら宇宙に行けるかな?

 「今までのあらすじ」

 ここは地球の日本。川原知人(かずひと)(男性)は、40歳の大学教授で哲学の研究をしている。川原の中の人は、鈴木愛衣(あい)という名前の大学生で、科学技術が発達した別の宇宙の惑星に住んでいた人間である。愛衣の心は、地球の川原知人という名前の胎児の中に送りこまれ、今は川原知人として生活している。愛衣は昔の記憶は覚えていなくて、最初から川原として生まれたと思っている。

 これは川原が高校の時の話である。

 川原は南川(女性)さんの事が好きで、2人はよく話をしている。


 「第30話 宇宙エレベーターなら宇宙に行けるかな?」 

 私達は高校3年生になった。

 放課後、私と南川さんは、いつものように宇宙について話している。

 放課後、南川さんとわりと頻繁に話している。この時間は楽しい時間だ。

 

 「宇宙に行く新しい方法って何があるかな」私は南川さんに聞いてみた。

 「いろんな選択肢があると思うけど、長いケーブルを張って、それを使ってエレベーターで上に行くって方法があるね」南川さんが答えた。

「めちゃくちゃ長いケーブルを張らないといけないな」私はなかなか難しそうだなと思いながら言った。

「てゆうか宇宙って具体的には地球の地上から何km上空なんだろう」私はふとした疑問をしゃべった。

「米国空軍は80km、国際航空連盟では100kmから上を、宇宙って呼んでいるみたいだね」南川さんは何でもすらすら答えてくれる。よく勉強しているのだろう。

「そうなんだ。じゃあ、それくらいの長さのケーブルがないといけないね。でも、そんなケーブルを張れるのかな」

「現在の技術では難しいね。ちなみに世界一高い建物はUAEのドバイにあるブルジュ・ハリファらしいよ。東京スカイツリーは634mで世界3位なんだって」南川さんが答えた。

「へぇー。そう考えると、全然、現実的な方法じゃなさそうだね」私は腕組みしながら言った。

「そうね。もし宇宙までいける長さのケーブルにエレベーターがついていたら、宇宙まではわりとすぐに行けて便利そう。スカイツリーのエレベーターが時速36kmらしいし、3時間くらいで宇宙にいける計算になるね」南川さんは答えた。

「そう考えると、宇宙って意外と近い気がするね。そのケーブルの素材って何が良いのかな」私は南川さんに聞いてみた。私は南川さんに質問してばかりだ。

「カーボンナノチューブが良いらしいって言われている。でもそこまで長い長さにするのは今の技術では難しそう。仮にできたとしても途中で切れてしまう可能性が高いらしい」

「そうなんだ。でも夢のある話だね。早く気軽に宇宙に行ける時代になってほしいな」私は素直にそう思ったのだった。

(続く)

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