雪消し
雪国では「雪消し」という作業があります。
いわゆる「雪かき」とは別物です。
その名の通り、雪を消すことをいいます。
雪消しは晴れた日に行われます。
路肩に溜まった雪を道路に撒き、太陽の熱で雪を融かすのです。
道路は黒いので、スポンジみたいに太陽の熱をよく吸い込んでくれます。
半日もあれば大概の雪は消えてしまいます。
雪消しは車を運転している人も協力します。
運転している途中、ゴロンとした雪の塊を見つけたらタイヤで砕いてあげます。
あまりにも大きいものは避けられてしまうので、雪を撒く側は大きさの調整が必要です。
時間と共に太陽が動くと、さっきまで日向だった場所が日影になってしまいます。
融け損ねた雪がちょこんと居残りしていることがあります。
日の傾きも計算しなければいけません。
どうせまた積もるのになぜ雪消しをするのかというと、積もる高さには限界があるからです。
雪消しをせずにどんどん雪が積みあがっていくと、いつか崩れて道路になだれ込みます。
それこそ岩みたいに硬くて大きい雪の塊で道路が塞がってしまうのです。
だから雪国の人たちは晴れた日にせっせ雪消しをします。
冬の晴れた外は気持ちいいし、雪消しをしていると体がポカポカと温まってくるので、みんな雪消しがそれほど嫌いじゃありません。
東京の人にも雪消しを体験させてあげたいくらいです。
「雪消しをさせてくれませんか?」と言えば、喜んでスコップを貸してくれると思います。
雪国の人にとって、雪消しはささやかな楽しみのひとつなのです。
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