第12話 街に出る

 「フッフッフ とりあえず街に出るんだったかな?

ボクも付き合おう。」


「なんですのアナタは!!

わたくし達を犯人扱いしといてのんびり一緒に街に出るなんて!?」


スナッチさんがお怒りっす。


「とりあえず、歩きながら話そうか。」


「良かろう!」


アリス坊ちゃんもノリノリですよ。

スナッチさんも渋々ついてくるみたいっす。




「さっき言ったとおり、ボクは行方不明事件を追っている。


『アタリ』と『推理』スキルによって確実な痕跡までもう少しという処まで来ていながら、肝心な痕跡の『推理』を外してしまった。」


「それがオレ達の内の誰かが持ってる『はずれ』スキルの影響だな。」


「そうだ!ボクはある程度『アタリ』スキルを操れる。

何通りかの『推理』の中から一番確実なモノをコインを使って『アタリ』に導く。


…なのに外した。

それは誰かが持ってる『はずれ』スキルのせいだって直に『推理』出来た。」


「成る程、それでそのコインが一番外れる処を探し、オレ達を見つけたって訳だ。


それでなぜ一緒にいる?

オレ達から離れれば、また当たるんじゃないのか?」

「そうっすよね。スキルの影響なら離れればいいっす。」


「そう思うだろうが、それは間違いだ。

この街はすでに影響下にある。

街中であれば半分は外れるが君たちの近くならほとんど外れる。


ほとんど外れると言う事は…」


「成る程な、不正解がほぼ解ると言う事か…」

「正解!それが『はずれ』スキル持ちを見つけたかった理由さ。」


成る程、そう言う事っすね!

お嬢様がたも感心してるっす。


「そしてその行方不明事件が緊急性の無いモノだと言う事もな。」


「フッ、さすが『大賢者』持ち。解っているねぇ。

ボクの『推理』だと、その彼のスキルを使わせたく無い人がいるんだよね。

彼が亡くなれば他の人にスキルが移る事がある。


追い込んで自殺でもされたら面倒だからね、大事にされてると思うよ。


彼の妹に頼まれたので、見つけてあげないとね。」

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