第9話 その頃の自由区で

 なんか、こんなことがあったらしいっす。


路地裏を探す1人の男っす。

「バカな!このボクが外した!?

この『名探偵』チェシャット様の『アタリ』スキルが!?」


どうやら推理がはずれたらしいっす。


「成る程、と言う事は…この近くに居るはずだ!


ボクの宿敵とも言えるあのスキル持ちが!!


フハッハハハッ!!

行くぞ!我が『助手』ヤマネよ!」

「はいはいっ」


いつの間にか後ろに着いて来ていた小柄な女もいるっす。

ちょっと気怠げっす。


男はコインを投げて手の甲で受けるっす。


「さあ!こっちだ行くぞ!」


迷いもせずに突き進んでるっす。

なんか何処かで会いそうな気がするっす!






 寮の部屋を片付けたアリス坊ちゃんの方わっすね。


「よ〜し!片付いた!!


さあ!自由区に行くぞ!!!!」

って言ってさっさと寮を出て行く坊ちゃんに…

「なに言ってんすか!?

街の生活区に行ってこれからの生活の準備しに行くって言ってんじゃないっすか!!


専属職と違ってスキルとかでスパッと準備なんか出来ねぇっすから、時間かかるんすよ!」


と言ってやったっす。

とにもう、自分勝手なんすから…


ん?誰か来たっすか?


「はぁ…はぁ…おっ…おい、」

息が切れてるぽいっすね。

『大聖女』さんも大変っす。

「少々お待ち下さい。

お嬢様の息もすぐ整います。」

『秘書』さんもいるみたいっす。


「ふぅ~『聖なる癒し』」

うわ!手の平が光った!


「待たせわね!

バンダスナッチ再び参上ですわ!」


「待って無いのに…」


「あらあらスナッチちゃん、女子寮は向こうの方よ。」

『寮母』さんも出て来たっす。


「『寮母』さん。

大丈夫ですわ!コイツとちょっとお話するだけですわ!」


「忙しいので特に話すことなど無いぞ。」


などなど言い争ってると。


「フハハハハハハハハハッ!

ここだな、見つけたぞ!」


また誰か来たみたいっす。

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