第7話 道中?

  あぁ〜平和っすねぇ…

「いくら街道沿いが整備されてるからって、何も起こらなさ過ぎだ!」


「いや、平和でいいじゃねぇっすか。

ダンプティが『ティム』スキルで躾けた『ウマ』は大人しくて走りも静かっす。」


「いやこう言う道中は『盗賊』に襲われたり、魔物に襲われたり、馬車が壊れたご令嬢を助けたり…」

「何言ってんすか!!何処の英雄譚すか!?

国内に『盗賊』職の奴なんかいないし、街道沿いに魔物なんか出ないし、馬車壊れても知識だけの坊ちゃんじゃなんの手助けも出来ねぇっす!!」


不謹慎にも程があるっす!

だいいちなんか敵来たら、当てになるのは『ウマ』の攻撃力かアクビさせられるウチがやらされるのがオチっす!



そんなこんなで、王都が見えて来たっす。

無事に着いて良かったっす…

「あら?なんか王都の手前に、仁王立ちしてる人がいますよ…」

「ん?どれどれ。」


なんか、こっち睨んで通せんぼしてるっぽいっすけど…


「待ってたわ!!貴方がラウビッツ領のアリスティアね!」

誰なんすか?

「いやオレはこう言うサプライズ望んで無いんだけど…」

ぜんぜんこっちの言う事聞こうともせずに叫んでるんすけど、ほんと誰っすか?


わたくしはスペイドール領バンダスナッチ『大聖女』ですわ!」


「その『大聖女』が何の用だ!?

なんで待ち伏せなんかしてるんだ?

ってか何時から待ってんだ?」


「フフン、わたくしの『秘書』の『タイムキーパー』のスキルにかかれば貴方が何時いつ来るかなんて一発で分かりましてよ。」

「だいたいの時間なので、お声をかけさせて頂いたのは3人目ですが。」

「余計なこと言わなくていいのよ!!」

後ろからもう1人出て来たっす。

「自分は『秘書』のマーチヘイヤと申します。

お嬢様が同じ最上級職の『大賢者』様に入学前にご挨拶したいとをを申されまして…」

成る程っす。

「ウチはメイドをしてるジャバウォックっす。

挨拶なら学園でも良かったんじゃないっすか?」


わたくしの同年代で最上級職なんて他にいなかったから、早く会いたかったんですもの…」

成る程それで街の外で待ち伏せなんすね。


「よし!挨拶もすんだな。

出してくれハンプティ。」

薄情っすね。

「ぇえぇエエエっ!!どういう事ですの!?

馬車から降りもせずにもうお話は終わりですのォォォ!」



「だってオレ最上級職になんか興味無いもん。」

ブレねぇすね…

「だそうなんすよ。

ごめんなさいっす!」


呆然としてるお嬢様方を残して横をすり抜け進んじゃったっす。

ちょっとかわいそうっすね…恨まれるっす。

超叫んでるっすね。



「覚えておくといいですわぁぁぁっ!!!!」

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