第10話自殺の真相(2)

浜岡さんへ再度取材を申し込んでみた我々だったが、浜岡さんとアポを取ることはできなかった。仕方なく我々は、当時三谷さんと同じ会社で働いていた織屋秋穂おりやあきほさんと会うことにした。

翌日の十時ごろ、織屋さんがスタッフルームへやってきた。我々は取材を開始した。

「今日はお越しいただきありがとうございます、早速ですが三谷さんとはどんな関係だっのか教えてください。」

「はい、三谷さんとは同期の同僚で、昼休みに一緒にご飯を食べるくらいの仲でした。部署が違うので、頻繁に会えるというわけではないのですが、互いに連絡先を交換したまの休日には、一緒に出かけてたりしてました。」

「三谷さんと浜岡さんが付き合っていたというのはホントですか?」

「はい、そうです。あたしと三谷と浜岡は元々高校時代の同級生で、高校時代から三谷と浜岡は付き合ってました。そして自殺する一ヶ月前かな…、三谷が浜岡に告白すると言ったんです。ところがそれから三谷が急に元気が無くなってしまって、告白どうだったと訊ねてみたら、ダメだったって…。それで『しばらく一人でいたいから、あまり話しかけないで』って言われて、それ以降会社内で口を利くこともなくなりました。それで会社にも来なくなり、三谷の両親から鬱病だって会社に連絡が来て、三谷は退職しました。」

「なぜ三谷さんは、浜岡さんに振られたかわかりますか?」

「……浜岡の奴、両親からお見合いを持ちかけられていたみたいで、それが断れないっていうんだよ。いくらなんでも、そりゃ無いだろ……って思いましたね。」

「三谷さんが自殺したと聞いたのはいつですか?」

「自殺してから翌日の新聞に載ってました、まさかそんな…というのが本音です。本当に残念です。」

我々はすすり泣く織屋さんを、優しくなだめた…。

これでエレベーターでの怪現象と浜岡さんには、関係があるということがわかった。

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