検証実験を終えた椿はとくに異常事態は無いものの、釈然としない日々を送っていた。自分には一体、なぜ証言通りの現象が起きなかったのか……？

それはさておき、件のマンションで起きた女性自殺事件について調査をしていた朝美から、報告が来た。

「まず、こちらが事件の記事のコピーです。」

朝美はまず事件の新聞記事を見せてくれた。

記事によると自殺したのは、三谷真子（みたにまこ）さん(女性·食品会社勤務·二十二歳)で、当時三谷さんは件のマンションの五回に住んでいた住人だという。警察の捜査によると、彼女には当時交際していた恋人がおり、結婚一歩手前というところで突然の破局、心を病んでしまい自殺したのだという…。

「それで、三谷さんの関係者とアポはとれたのか？」

「両親とは取れませんでしたが、当時同じ会社にいた同僚とは取れました。それでとても驚くことを聞いたのですが……？」

「どうした朝美？」

「実は……、三谷さんと交際していた男性の名前というのが、浜岡公夫（はまおかきみお）なんです。」

「はぁ！？あの投稿者の！！？マジか！！これは何かあるぞ……！」

テーブルを叩いて驚いた椿は、すかさず電話で浜岡さんに取材の連絡した。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい