現実超常ドキュメンタリー特派員·七階

その後、我々は何度か浜岡さんへ連絡を試みたものの、彼とは音信不通になってしまった……。さらに白樹さんを始めた知り合いや浜岡さんのご家族の方に居場所を訊ねまわってみたが、彼らも浜岡さんの所在はわからないという返答がきた。結果、我々はこれ以降の取材を終了して、ドキュメンタリーの撮影に入った。

ドキュメンタリーの撮影から数日後、我々の元に取材でお世話になった白樹さんから、電話がかかってきた。

「もしもし、白樹さん。あの時はどうも……」

「そんなことよりあんた、今日の○○新聞を見てくれ。浜岡が自殺しよった……」

受話器を持った椿は絶句した、そして通話を切るとすぐにコンビニへ行き、新聞を購入して記事を探した。

「この記事だ、まさかこんなことになるなんて…」

音信不通になってからすでに二ヶ月、一体彼は何を思って自殺したのか…？ふと考えていると、ある予測が椿の頭に思い浮かんだ。

「あの検証実験の後、エレベーターが安全になったと確信した浜岡さんは、エレベーターに乗った。しかしあの白いワンピースの女性…、三谷さんの霊はまだエレベーターの中にいて、浜岡さんは三谷さんの霊に連れて行かれた…！？」

果たして椿の憶測通りなのか、結果は誰にもわからない。

そしてこれ以降、件のマンションにて一切の怪現象が目撃されたことはない……。