第8話検証実験(2)

「来たっ、さぁどうなるんだ……!」

恐怖で冷や汗を出しながらもカメラを構える椿、そして動いていたエレベーターが停止した時、エレベーターの扉が開いて、中からその女性が現れた。白いワンピースに三つ編みの髪型、間違いなく怪現象の元締めだ。

「ヒィッ!!ついに来たぞ……」

不気味さに悲鳴をあげるも、カメラを持ちなおす椿。すると女性は椿の持つカメラを見るなり、慌てて後ろを向いて走り出した。

「あっ、待って!!」

椿はエレベーターを降りて、走りながら女性を追いかける。すると視界が明るくなり、気づけば七階の一番端に来ていた。

「あれ?おかしいな…、目撃者の証言と違うぞ?」

そして椿は道草に連絡を入れた。

「今、マンションの七階にいる。一階に降りてもう一度実験する。」

「よかった……、了解」

電話からホッとする道草の声が聞こえた。

そして一階に下りた椿は、もう一度エレベーターに乗って七階のボタンを押した。しかし異変が起きる…。

「あれっ?……普通に着いた」

なんと何事もなく七階へ到着したのだ、一体どういうことだ……?

こうして理由もわからぬまま、検証実験は終了した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る