第26話

新しく出来たカフェの前でふと足を止めた。




スマホで新幹線の時刻を調べて、それによってはここで時間を潰そうと思ったのだ。




新幹線の時間があるからと出て来たけれど、本当は調べてもいなかった。披露宴が終わったのは15時半だったから、時間は十分にある。



このいかにもなワンピース姿で帰るのも目立ちすぎるから、駅のトイレで着替える時間も欲しいかな。



バッグの中からスマホを取り出し、画面に視線を落とした瞬間。











「歩」








記憶にあるものより、もっとずっと低い。




大人びた声で "私の名前" を呼ぶ声。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る