第2話 彼の計画
去年の結婚記念日は忘れて無い。ただ、そう言うのをわざわざ毎年やり続けるのがやになった。だから、ブッチしたんだ。
確かに、料理を作って待ってた彼女には悪いけど。僕、ビーフシチュー好きじゃないんだよ。彼女の自慢の一品らしいけど、僕はお寿司の方がいい。お互いに働いてるんだし、寿司の出前でいいじゃん。何でも形に拘るのが最近では鼻につくんだ。
去年は結婚記念日を忘れたって口も聞いてくれない日が一カ月も続いた。
めんどくさいなって。
それからこの日の為に僕は計画を練ってきた。
薔薇の花は10本買った。
その後、彼女が好きなお店のケーキを買った。同じケーキじゃ区別がつかないといけないから。彼女が絶対に食べたがるフルーツタルトにして、僕は彼女が苦手なミルクレープにしたんだ。
ケーキ屋さんの帰りに公園でこっそりとケーキの箱を開ける。
フルーツタルトにあらかじめ溶かして液体にした薬を染み込ませる。
強烈な効果があるらしい。楽しみだ。
家に帰ると香辛料の香りが充満していた。ビーフシチューだ、、、。
彼女の作るビーフシチューはスパイスをあれこれ自己流で入れてるから厄介なんだ。ハウスのビーフシチューの素のがいいよ。
そんな気持ちは出さないで、薔薇の花束を彼女にで渡すと満面の笑顔で花に顔に埋めて香りを嗅いでいる。どうも、薔薇でも彼女の好きな香りとそうじゃないのがあるらしい。今回は合格らしい。
機嫌よく、料理の手が離せないから僕に薔薇を花瓶に飾れと言う。薔薇って棘があるんだよな。
僕は不器用なんだ、絶対に棘を刺すだろう、、、。
いやいやながら棘に注意してるけど、やっぱり指先を三本も刺した。
ビーフシチューにご飯なんてあり得ないって毎年言われるのもなぁ。いいじゃないか!ここ日本だ!朝も食パンなのに晩飯は飯が食いたいんだ!と言い返したいが喧嘩するのも面倒くさいからね。
さてと、洗い物の片付けは僕の担当だから、あれ?何だろ?顔が熱ってきた。
ワイン飲み過ぎたかなぁ。
彼女はお酒は嗜む適度だから、殆どは僕が飲んだからな。
片付けも済んだ、さあさあお待ちかねのケーキ。彼女は勘が鋭いからな。
そうだ、紅茶にブランデーを入れよう。ブランデーの香りでケーキに仕込んだ薬なんかわからないぞ。
ケーキとブランデー入りの紅茶を彼女は嬉しそうに食べている。やった!
それにもして熱い、心臓がバクバクする。おかしいなぁ。
薬の効き目はすごい。ケーキと紅茶をたいらげて彼女は意識を無くした。
すごい効き目だ。
それにしてもおかしい。からだがギンギンだ。ありぁ、どーした、僕の下半身?
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