結婚記念日は薔薇の花にご用心

菜の花のおしたし

第1話 彼女の計画

今日は10年目の結婚記念日。私達夫婦は共働き。家事の分担もしてる。

子供はいない。


去年の結婚記念日を奴は忘れてた。

それだけに怒りを感じてた訳じゃない。

私に対するゾンザイな扱いにイラついてた。

あの日、結婚記念日を忘れて友達と飲んで帰ってきた奴。

そこから、私の気持ちは決まった。

今日のこの日の為に計画を立てた。

結婚記念日は必ず薔薇の花をくれる、今年は10本。

ふふふ、楽しみだわ、、。


奴は帰ってきた。

「ケーキもさ、買ってきたよ。君の好きなハーブスのフルーツタルト。僕はミルクレープにしたんだ。」

へえー、ケーキ?初めてじゃない。気が利かない奴にしては上出来だわ。

「はい、結婚記念日の薔薇だよ。」

「ありがとう、嬉しいわ。」

そう言って、受け取った。香りが高い。良い薔薇だわ、奮発したわね。

「あのね、私、お料理仕上げたいから、薔薇を花瓶に挿してくれない?」

私は薔薇の花束を受け取った時、奴は服を着替えに行った。その隙に、液体の薬を薔薇の棘に垂らしたのだつた。

これは、数滴で効くらしい。奴は不器用だから絶対に薔薇の棘で指に怪我をするわ。

「わかったよ、薔薇は棘があるからなぁ。いたっ!刺したよ。思い切りさ。バンドエイトとってくる。」

薔薇10本を花瓶に挿すだけなのに手にはバンドエイトだらけ。

私の計画は成功だわ。

「薔薇ありがとう。棘、痛かったでしょう?さぁ、ディナーにしましょう。」

奴の好きなビーフシチューにモッチェレラチーズとトマトのサラダ、ワインそしてパンといきたいけど奴はご飯だ。どんな時でもご飯だ。私は全粒粉のハードなパン、美味しいんだもーん。

そろそろ、薬は効いてもいいのかなと思いながら奴を観察してディナーはおわった。

「じゃあ、ハーブスのケーキを食べよう。僕が準備するよ。飲み物は紅茶?ならブランデーを入れようか?」

うむ、いい提案だわ。義父から貰ったブランデー。香りがいい。紅茶に入れたら最高な気分。

フルーツタルトの果物の種類が豊富なのがいいったら。いちご、ブドウ、バナナ、キウイ、メロン美味しいから夢中で食べちゃった。

あ、いけない。ケーキに夢中になってる場合じゃ無い、そろそろ薬が効いてきたはずよ。

奴を見たら、顔が、真っ赤になってる。息も荒い。薬が効いてきたわね。

「あれ?ブランデーかなぁ。心臓がドドってなってるような。カッカする。」

やったわ。薬よ、薬のせいなの!

何だろ、頭がぼーっとしてきた。眠い、、、。







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