第28話
小さい頃の私の写真を思い返してみれば、なるほど……フリフリのヒラヒラな服ばかり着せられていた気がする。
それはお父さんの趣味だったのだけど……傍から見ている分には、それが誰の趣味かなんて分からない。
私とおじさんが初めて会った12年前、私がフリフリの姫系な服を身に纏っていたとしたら……その記憶を頼りに部屋を誂えてしまう気持ちも、分からなくは無い……。
多分……彼の中の私のイメージは昔のままで……こういう部屋とこういう服が似合うお嬢様キャラだったのだろう。
それなのに、今の私ときたら……。
パーカーとデニムのミニスカートで……身につけているモノのどこにもフワフワやピラピラなんて無くて。
髪も巻いてないし、メイクだって紫外線防止の為にファンデを塗ってる程度。
小学生の時にはピアノを習っていたけれど、茶道や華道の嗜みはないし。
見た目も育ちも、全っっっ然お嬢様じゃなくて。
おまけに、ソファーでうたた寝……。
今頃彼は、清純さとか可憐さとか上品さとは無縁な私に対し、それはもう大層がっかりして………。
「き……気まずい……」
呟きながらクローゼットの扉を閉め、抜け殻のように落ちているコートをドレッサーの椅子に乗せる。
気力を過度に消耗した所為か、その他愛の無い一連の動作が酷く億劫に感じられた。
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