第141話

「は……あの……今って……何時……」





窓はカーテンが閉ざされていて、外の様子をうかがうことはできない。





急いで視線をめぐらし、時計を探す。





「夕方の4時を過ぎたところです」





私が壁にかかった時計を見つけたのとほぼ同じタイミングで、そう言われ、私は金槌で頭を殴られたような衝撃を受けていた。





「ぎゃっ、やだっ……どっ、どうしようっ、あ、あのっ……申し訳ありません……私……っ」





「すみません……よく眠っていらしたようなので……起こすのが忍びなくて……」





わたわたと毛布を畳んで謝る私を見上げながら、彼は和やかな笑顔を湛えて言葉を続けた。





「倒れた時は救急車の手配を考えましたが、寝息が確認できましたし……心地よく眠っているように見えたものですから……」





確かに……心地よかったかも……。





なんてったって……目の前の彼がケイだった、っていう……願望丸出しの夢を見ていたんだもの……。





とか、納得している場合じゃなく!





つまり私は……いきなり倒れた挙げ句……まる2時間以上、ここで眠りこけていたと……?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る