第129話
「あ、あの、すみません、故障は勘違いだったんです。でも……その、新品だったし、もしかしたら出品したのが電気店さんなのかも……と思って。万が一の時の為にも、出品した方を教えていただこうかなと……」
「え………」
私の言葉に、リストを捲る手を止めて、彼女は困ったように眉をひそめた。
ああ、やっぱり変だと思われたよね。
でも、電話をかけた時は「故障した」と言わないと、応じてくれそうになかったし……。
かといって、実際は壊れているわけじゃないから、実物を持ってこいと言われても困るし……。
この作戦は、私的には苦肉の策だったんだけど……。
なんか、全くダメダメかも。
彼女は完全に私を怪しんでいる。
「そういう事では対応致しかねます。個人情報の問題もありますので、直接出品者をお教えする事は出来ないことになっているんです」
「……あ、そ、そうだったんですか……」
「仮に故障した場合は、購入日から一年以内でしたら返品という形で対応をさせていただきます。修理をご希望の場合は、直接メーカーさんに修理を依頼して戴くことになっています」
秒殺、そして、撃沈……。
「……解りました。ホント、すみませんでした」
私は額に滲んだ汗を手の甲で押さえながら、慌てて椅子から立ち上がった。
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