第128話

アプローチを急ぎ、園舎の一番手前の来賓入り口と書かれた場所にたどり着くと、ガラス張りのドアの向こうから30代後半ぐらいに見える女性が姿を現した。




彼女は、濃紺の制服にピンクの可愛いエプロンを掛けている。




これが、この幼稚園の事務の先生のユニフォームなのだろう。




「休園日なのに、突然、すみませんでした」




「いえ、大丈夫ですよ。どうぞ、こちらに」





深々と頭を下げた私に微笑み、彼女はガラスのドアを大きく開けて、来賓用のスリッパを私に勧めてくれた。










事務室の応接コーナーに通され、とりあえずコートを脱いで椅子に座ると、パーテーションの向こう側から先ほどの女性が大きなファイルを抱えて戻ってきた。





「お待たせしてすみません。ええっと……バザーで買っていただいたのは……家電製品でしたっけ?」




女性は私の向かい側の椅子に座ると、分厚いファイルを膝の上に乗せて、パラパラと出品リストを捲り始めた。




「電気ストーブです。500円の」




「ああ、あのストーブですね……もう故障しちゃいました?」




そう言われ、ギクリと背筋を伸ばす。

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