第123話

失望に打ちのめされた大晦日の夜が明け、それからの3日間、私は寝込んでいた。





文字通り、寝正月だったわけだけれど、別に寝転がってダラダラしていた訳じゃない。





高熱の病に倒れ、床に伏していたのだ。







最初は、知恵熱みたいなものかと安易に考えていたのだけれど、関節の痛みと倦怠感は酷くなる一方で、熱もみるみる上がっていって……。





だからといって、救急病院に行く体力も気力も当然無く。





実家から送られてきた蜜柑を食べて、なんとか自力で体調を快復させたのだ。





まる2日ぐらい、寝る時間も食べる時間もろくに取らず根を詰めていた所為で、そのしわ寄せが一気に身体にふりかかったのだろう。





39度近い熱が出たときにはインフルエンザかと思って焦ったけれど、薬も飲まず熱が下がり、その後に咳も鼻水も出ないあたり、ただの過労による発熱だったようだ。





熱にうかされている間は、身体的にはかなりキツかった。





けれど……心的には、甘美なひとときでもあった。






何故なら、時々、ほんの少しだけ、ケイの夢を見る事ができていたから……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る