第119話
亜里沙との電話の後、程なくして、大学と高校の卒業名簿とアルバムは見つかった。
引っ張り出したクローゼットの中身を適当に詰め直し、私は、アルバムと名簿の隅々にまで目を通した。
小学校と中学校の卒業名簿やアルバムは実家に置いたままなので、宅配便で送るようにお母さんに無理を言って……。
頼んだ2日後には、それらも無事にアパートに届けられた。
段ボール箱の中に入っていたお餅やら蜜柑やらはそのまま放置。
私は、古めかしい名簿とアルバムだけを箱から取り出して、夢中になってページを捲った。
そして、今は大晦日の夜。
点けっぱなしのテレビからは、歌番組のオープニングの音楽が賑やかに流れている。
本当なら、今頃は、ケイと一緒にこのテレビを観ていたかもしれないのに……。
そう思うだけで、たちまち甦ってしまう寂しさ。
その気持ちを払拭するように、既に何度も目を通した名簿のページを捲り、【ケイ】と名の付く生徒と教職員の写真を眺め始めた。
敬太、啓一、慶司、圭介、珪……他にも【ケイ】とつく名前は沢山あったけれど、ケイの面影を感じられる人物は見あたらなかった。
名前を無視して、全ての顔写真を見ても……然り。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます