第116話
「もしもし~」
『あっ、芹花?久しぶり~、今喋って平気?』
「うん、どしたの?」
『この前はホント、ごめんね。改めてお詫びしようと思って……暇なら飲みに行かない?奢るから』
この前……ああ、亜里沙が彼氏と仲直りした日の事か……。
あの後、亜里沙からはお詫びのメールが来たし、私の中ではすっかり過去のことなのだけれど。
……それなりに悪いと思ってくれていたんだな。
「そんな、気にしなくていいのに。彼とは仲良くやってる?」
『うん、おかげさまで。トオルも芹花には申し訳ない事をしちゃった、って言ってる。だから、今夜はお詫びにご馳走しておいでって。突然だけど、どう?……なんか用事あった?』
「あっ、うん、ちょっと……今日は無理なんだ、ごめんね。その気持ちだけで充分だよ」
そう答えながら、私は、あの日の亜里沙の彼氏の必死な顔を思い返していた。
私の目があっても、そんなの気に留めていられないという雰囲気だった。
あの時は、私の立場は!?って思うほどの扱いを受けて憤りを覚えたけれど……本当に亜里沙との関係を修復したくて必死だったんだな、と思うと、微笑ましく思える。
『そっか、残念。じゃあ、また今度誘うからねっ。あ、そうそう……会ったら話そうと思ってたんだけどさ。この前、偶然、ハルミ先輩に会ってね……』
「えっ、うん、なになに?」
亜里沙に意識を戻して、私は慌てて話を合わせる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます