第114話

夕べの彼の言葉を頭の中で反芻するたびに胸が痛んで、後悔の渦に飲み込まれていく。





あんな風に、彼に現実を突きつけたのは、私。




不都合な事はうやむやのままにして、騙し騙し進んでいければそれで良かったはずの事を……あえて、ハッキリさせようとしてしまったから。





彼の事が好きだという想いも、彼が人じゃなくても構わないという気持ちも……きちんと伝わって受け入れられるだろうと、心のどこかで傲っていた。





その結果……彼に彼自身を呪わせて……。





私の傍にいてはいけないと、彼に思わせて……。




その所為できっと、ケイは消えてしまったんだ。





「だからって……いきなり消えて、それっきりなんて……」





……っていうか……まさか本当に、これっきりなんだろうか?





真相も解らないまま?




そんなの、あり得ない。




大概このテのドラマも映画も、超常現象の真相は判明してから終わるのが普通で。




主人公とその相手の別れのシーンは、丁寧で、惜しみながらで……。




「……ってセオリー通りじゃ無いあたりが……現実、って事か……」




現実なんて、そんなものなんだ。




理由もなく起きていた現象なら、理由もなく起こらなくなる事だって当然ある。




そんなの分かってる。




でも、どうしても納得できない。





だって、彼が今どうなってしまっているのか……分からないままだから。

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