第113話

顔を洗おうとか、髪を整えようとか、何かを食べようとか……そういう気分にならなくて、ただ、呆然とストーブを眺めていて。





このまま夜になってしまってもいいかもと思うほど……無気力……。





大掃除をする気力はないし、年明けの挨拶もメールで済ませるから年賀状の準備も要らなくて。





今年は帰省しないと親には言ってしまってあるし、年末年始の連休は何の用事も入れていない。





だって、ケイと過ごせると思っていたから……。





テレビを見たり、たわいのない話をして過ごせるって、そう思っていた。





ケイが姿を現わさなくなるなんて……思わなかった。





哀しいとか、寂しいとか、そういう気持ちよりも、何故?どうして?という疑問ばかり。





再びあの不思議な現象が起こるのではないかという期待は捨てられなくて、いつまでもストーブから離れられないでいる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る