第103話

ただ、きっかけがいかにくだらなくても……私が、ケイを失えなくなっている気持ちと、先の見えない不安に苛まれているという事だけは……。




呆れずに……受け止めて欲しい……。




「くだらないけど、今の私の精一杯の防御。ケイがいてくれるから、なんとか気持ちを強くもっていられる。だから……無性に約束したくなったの」




そう紡いで息をつき、私は傍らに座るケイの反応を待った。





『………』





彼は何も言わない。





表情も変えていないし、視線は足もとに落とされたまま。





「呆れた………?」





私が恐る恐る問いかけると、ケイは小さく吐息を漏らした。





『……いや………』





そう呟いて、また黙り込んでしまうケイに、不安とも苛立ちともつかない薄暗い気持ちがこみ上げてくる。





どういう意味なんだろう、この、反応は。





内容がくだらなくて、言葉もでないとか?





もしくは、体裁や見栄の為に、自分を彼氏に見立てられた事が不快だ、というのもあるのかもしれない。





解って欲しかったのは、私がケイを失えないと思うほど好きで、いつまでこの生活を続けられるのかが不安で……約束するだけで、その不安が和らぎそうだったのだ、という事なんだけど。




景山さんとかいう、私的にはどうでもいい人の話をした所為で、話しが長くなってしまって、本当に伝えたかった部分が上手く伝わってなかったりして……?

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